シナリオ | システム | キャラ | キャラデザ | 音関連 | 実用 |
6点 | 7点 | 7点 | 7点 | 8点 | 4点 |
シナリオ |
設定の掘り下げ不足が悔やまれる作品 プレイ時間は1ルート4〜5時間くらい。シナリオは5周目まであり(5周目は5分程度で終ります)、総プレイ時間17時間程。 ループ作品。ただ、周毎に周囲の状況等が変わるため、よくあるループ物での同じ展開をひたすら読むというダルい展開が少ない。 3周目が1周目とほぼ同じで、所々で新規のイベント、終盤の展開が変わる、という部分がありますが、そこ以外は変わらないので、この周のみ結構キツイです。 なかなかに読み応えのある作品でしたね。多くのループ作品って同じような展開をしつつ、途中で別の行動を取ることにより、シナリオが変化するというものだと思うのですが、本作の場合、前周での行動により次周の世界に影響を与えます。 例えば、囚われの身であったキャラが主人公達と普通に行動を共にしているとか。 こういうのがあることから、今後どういう風に展開していくんだろう、というワクワク感がありましたね。 シナリオは、天使や魔法等が存在する世界で、主人公達が住んでいる街が飛んでいたりとファンタジー色の強い物となっています。 といっても、物語が始まった時点では、主人公は魔法が存在することは知らず、普通にありきたりな日常生活を送っているため、最初から非日常な展開ということはありません。 徐々にそういう世界に足を踏み込んで行く、という感じですね。 そんな訳で序盤は日常展開が殆どで、更に似たようなやり取り多めな為、人によっては退屈極まりないことになっています。 自分は特に苦もなく読み進められましたけど。 探偵部に所属した後の展開は、幽霊が出たり、魔法が出たり、天使についての話が出たり、といろいろと気になる話でグイグイと惹き込んでくれます。 こういうの大好きな自分はめっちゃ楽しめましたね。 とまぁ、話は割と楽しめたのですが、それだけにいろいろと勿体無いと感じる部分がありました。 それは、キャラのバックボーンの語られなさ、広く浅くな話、最後の展開の3点。 まず、キャラのバックボーンなのですが、各キャラいろいろと設定がある訳なのですが、ほんの僅かに触れる程度で終わるものの多いこと。 このキャラにはこういう設定があるのです、終了という感じ。そこはもっと語るべきじゃないの?と感じることが多々ありましたね。 広く浅くな話はキャラのバックボーンの語られなさ同様なのですが、天使やらその他の設定があまり深くまで描写がされない。 話自体はさまざまな設定から広がりを見せるのですが、終わってみると、あまりの底の浅い設定の数々に落胆してしまいます。 あの設定はシナリオ的にもっと面白くできる要素を備えていたのに、というのがいくつもありましたので。 キャラのバックボーンの語られなさと合わせ、シナリオの性急さを感じる要因になっていたように思えます。 最後の展開については、もう1ルート必要であったのでは?と。 あの終りだと、結局のとこなんの解決にもなっていないと思うのですよね。 主人公達の力目当てに寄ってくる人間は大勢出てくるでしょうから、そこの部分を解決しなければ、不幸な結末しか想像出来ない。 なので、もう1ルート追加し、その問題を解決する展開を見せてくれると良かったなぁ、と。 といった感じで、やってる間は楽しんでいたのですが、終わってみると勿体無かったなぁ、と思ってしまいましたね。 |
システム |
CG鑑賞、シーン回想、音楽鑑賞あり。 キャラの画面での位置により、声の聞こえ方(右に立っているキャラの声は右側のほうが大きく聞こえる)が変わるのは面白いなぁ、と思いましたね。 スキップは早めですが、一本道の話ですので、使う機会はほとんどないでしょう。 |
キャラ |
神宮司 雛子 CV:桃井いちご 探偵部所属。主人公が魔の世界に踏み込む切っ掛けとなる人物です。 ストレートに主人公に想いを伝えてくるのが可愛いですね。 3周目で唐突に明かされる彼女の秘密についてもっと語って欲しかったなぁ。 橘 瑠璃火 CV:葉村夏緒 主人公達の先輩。昔飼っていた猫の幽霊を目撃したことから、探偵部と関わることになります。 普段の姿はそんな好きという訳ではないんだけど、髪下ろした姿はめっちゃツボです。 朝日奈 やすら CV:倉田まりや 主人公の幼なじみ。裸ワイシャツで外を出歩くのに、おいおい、と思ったのは自分だけではない筈。 いろいろと背負うものがあるキャラなのですが、その辺りの描写が薄い。 苦しんでるのは分かるのですが、いろいろと描写が足りないので、説得力がないのが凄く残念。 彼女を取り巻く環境についてもっと語って欲しかったです。 |
キャラデザ |
総CG枚数67枚。出来は良いと思います。 ただ枚数が少ない。次回作があるのであれば、枚数増やして欲しいですね。 出来ればSD絵も。 |
音関連 |
曲は全部で17曲。ボーカルソングは1曲。 オープニング曲はかなり良いと思いますね。 これ書いてる時点でも高頻度で聞いてたり。 ただ、製品版でオープニングに使用されてるTechno mixのほうは駄目。 曲がではなく、ムービーと合わせると、曲とムービー部分のリンクのしなさっぷりが。 店頭で流すムービーを間違えて使ったのか?と思いましたよ。 デモムービーとしてならいいですが、製品版のオープニングとしては駄目かと。 BGMはそこそこ良い感じ。 声優さんは特に問題なし。 |
実用シーン |
総シーン数6回。ただし、やすらの1シーンは、ちょっとしたお触り程度なので、実質5回。 瑠璃火が1回で他2名が2回となっています。尺、質共にイマイチ。 あってないような物レベルですね。期待しないでおきましょう。 |
総評 |
勿体無い。本当に勿体無い。設定等の掘り下げがもっとされていれば、良作レベルの作品になっていたであろう作品。 個人的には楽しめた作品ですが、他人に薦める事は出来ないですね。 でもまぁ、処女作でこのレベルなら及第点かと。 次回作では、今回足りなかった部分を埋められるような作品になることを期待したいです。 |
評価点数66点 |
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