シナリオ システム キャラ キャラデザ 音関連 実用
7点 7点 10点 7点 8点 7点


シナリオ
恋の雨は、いつか晴れる――


プレイ時間は共通2時間30分、個別も2時間30分。総プレイ時間は12時間30分。

序盤の展開がちょっと重いです。開始直後に異母兄弟である理香子を家で引き取ることになるのですが、理香子の態度が極めて冷淡。
実は理香子とは異母兄弟と知る前に出会い、彼女を学園まで案内するのですが、その時の態度は最初こそ冷たいものの途中からは主人公に気を許していたということがあるので、主人公が弟だと知った時の態度の豹変ぶりには結構キツイものがあります。
しかも態度だけでなく直接言葉で嫌いだからとまで言われてしまうのも・・・。
という感じで、最初は重い空気にゲンナリさせられますが、友人キャラである翠の存在がこのシリアス空気の中で、清涼剤的キャラとして活躍してくれます。
彼女のおかげでそれほどシリアスに感じないのを微妙に感じる人もいるかもしれませんが、自分は翠の明るさに助けられました。

そんなシリアスもありつつ進行する序盤ですが、驚く事にこの序盤を抜けると先ほどまでのシリアス展開が嘘のようになくなります。
主人公の妹である朋実と理香子との間にギスギスとした空気があるものの、それ以外は普通の学園物としての展開。
理香子と主人公の関係も序盤を乗り越えれば普通に会話も出来るようになりますし。
個別シナリオにしてもメインである理香子は他に比べてちょっとだけ多めなシリアス部分がありますが、他シナリオは必要最低限くらいしかシリアス部分はありません。
一見、シリアス重視で終始鬱々とした展開しそうに見えますが、実際は澄み渡る青空のように清々しいシナリオです。

というようにシリアス部分を期待していた人は肩透かしをくらうかもしれないシナリオですが、自分はもの凄く楽しめてしまいました。
設定に一部特殊なものがあるものの、シナリオは割りと現実でも起こりえそうなもので、その中で変にご都合展開に走らなかったは良かったですね。
ゲームである以上、ある程度のご都合展開があるのは当たり前ではありますが、度がすぎるご都合展開は嫌いな人間なので。
主人公は多少子供っぽいとこがありますが、むしろこの子供っぽさがシナリオを盛り上げる一要因になっています。
他キャラの使い方も上手く、主人公にムカつくとかそういう負の感情を抱くことがなく、割と好意的に見てられました。

ここまで結構褒めてますが、残念な部分もあります。
それはOPで出る「恋の痛みを綴った物語」という一文。
実際にこの言葉が当てはまるのは理香子と美沙シナリオの2つだけ。
他2人はそういう展開らしい展開はなし。
ただこれはあくまでそういう展開がなかったというだけでシナリオの出来が残念ということではないです(ひなこシナリオは微妙ではあるけど)。

全体的なシナリオの出来自体は普通なんですが、キャラは活き活きとしていて、キャラにハマり感情移入してしまうとかなり楽しめます。
自分は翠シナリオに感情移入してしまい、めちゃくちゃ楽しめてしまいました。
出来は理香子が一番なんですけどね。
システム
CG鑑賞、シーン回想、音楽鑑賞、立ち絵鑑賞あり。
スキップ速度は普通。
キャラ
瀬川 理香子
CV:さくらはづき
本編開始後に主人公の家に住む事になる異母兄弟。
最初のほうは冷淡で、周りに対する態度も同様。
でも主人公との間にある蟠りが解けた後は主人公を頼りにしてくれたりと結構早くにデレます。
主人公が昔言った「ブス」というのをずっと信じて、自分の事をブスだと思っていたのはちょっと笑ってしまいました。
上記のことからも分かるかもですが、結構バカなとこがあります(良い意味で)。
個別は一番の出来。流石はメインですね。
他シナリオに比べてシリアス部分が多めなので、萌え部分は少なかったのですが、シナリオ展開から主人公の事が本当に好きなんだなぁ、と感じさせてくれるのは良かった。
恋の痛みを綴った物語、というのが一番しっくりとくるシナリオでしたね。

宮沢 翠
CV:二葉みんと
主人公の友人。自転車の二人乗りで彼女に漕がせるとこを見て、マジで遠慮がなく本当に仲の良い友人なんだな、と。
明るく、序盤のシリアス気味な展開の中で彼女の存在には何度も助けられました。
浴衣姿の翠はもの凄く可愛いですね!恋人同士になる部分がちょっと微妙に感じましたが、そこ以外の展開は楽しめました。
主人公の為に残されていた背番号10。ありがちな展開ながらこういうのは好きだわ。
一志と主人公のお互いの力を認めつつも素直になれず衝突し合ってしまう、その間を取り持つ翠という構図が見ていて気持ちいいですし、対等な関係である為に、努力する翠の姿も良く、自分でもビックリするくらい楽しめてしまいました。特別感動させる話ではなかったんですが、感情移入しまくってしまい、泣きかけた自分がいます。

伊東 ひなこ
CV:佐本二厘
主人公の幼馴染。年上で理香子よりも姉っぽいです。
序盤から好感度マックスで主人公に甘い。
恋人になった後は更に甘くなり、超萌えます。
あまりにも甘やかされすぎて、主人公がこのままだと駄目だと思い、距離を置こうとするくらい。
その結果、ひなこはストーカーっぽくなるんですが、それがまたいじらしく萌える。
シナリオは一番駄目でしたが、萌えの嵐でそんなの関係ない!という感じでしたね。

篠岡 美沙
CV:澤田なつ
学園の先生。あわあわしてる立ち絵が可愛い人です。
美沙も可愛いのですが、このシナリオのみで出る「ねね」は更に可愛い。
普段は美沙の話に合わせたりと子供っぽくないのですが、デートしてあげてもいい、といったたまに見せる子供らしさがいい感じです。
シナリオはやはりありがちなんですが、こういう話に弱い自分は結構楽しめました。
エピローグで仲良く3人で手を繋いでるシーンは良かったですね。
キャラデザ
総CG枚数85枚。立ち絵の服装パターン多めなのはいいですね。
CG枚数はちょっと少なく感じましたが、攻略キャラ4人と考えるとこんなもんかな。
出来についてはちょっと堅く感じるCGがありましたが、概ね問題なし。
音関連
曲は全部で22。ボーカルソングは2曲。
OPですが、これ結構いいですね。かなりカッコいい歌。
EDは落ち着いた曲。BGMも全体的にいい感じです。

声優さんについては問題なし。
実用シーン
総シーン数13回。理香子だけ4回で他キャラは3回です。
1回目はあまりエロくないんですが、2回目以降からはエロくなってきてなかなか良い。
ただ絵自体はそれほどエロを感じる訳ではないので、これは残念。
尺は普通で、質も普通。
総評
プレイ前は期待どころか地雷だと思っていた本作ですが、まさかの出来に驚きです。
大きな欠点もなく、割と多くの人に受け入れられるんじゃないかなぁ、と思える作品でした。
評価点数80点
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