Trample on “Schatten!!” 〜かげふみのうた〜


シナリオ システム キャラ キャラデザ 音関連 実用
7点 7点 8点 9点 9点 7点


シナリオ
私が私であり……お前がお前である限り……私はお前を……愛し続ける……から


総プレイ時間は15時間。キザイア以外のキャラ個別は15分程。
ほぼキザイアの一本道シナリオと考えてもらって構いません。

ヒーロー物。本作は第1部、第2部、第3部という形に分かれています。
第1部はキザイアとの出会いと別れの話。
出会った当初のキザイアと主人公は反目しあってるのですが、それから3週間後のキザイアの態度は出会った時とはまるで違う姿。
これがどうもしっくりこない感じで、最初は違和感を覚えましたね。
最初出会った時のキザイアは人との繋がりなんか必要もないという感じだったのですが、3週間後に出会った彼女は真逆の想いを抱いてたんで。
しかも3週間の間に何があったのか、というのをちょっとしか語られず、この時点ではモヤモヤさせられます。
ですが、この空白の3週間に何があったのか、それについては第3部で語られます。
その部分は後に書くとして、ここの部分が分からずに微妙な気分になるのですが、それを払拭してくれるのが、戦闘時のノリ。
かなり人を選ぶノリで、戦闘時のキザイアの台詞は合わないと辛い。
自分は聞いてて恥ずかしいなぁ、と思いつつも問題なかったです。
ただ、必殺技やヒーロー名のネーミングセンスにはついていけない・・・。聞いてて苦笑してましたね。
とまぁ、ノリが合えばシナリオの微妙な部分もそれほど気にはならないかと。
物語の導入部としては良い感じ。ラスト部分は衝撃的ですしね。

第2部は主人公とサブヒロインの葛藤劇。
まぁ、葛藤劇という程に葛藤してたわけでもないですが。
そこがこのゲームのシナリオを微妙に感じさせる部分の1つなんですが、展開が早いんですよ。
成長シーンってのがこのゲームで重要な部分の筈なんですが、こう展開が早いと成長してるのかが伝わらない。
特にサブヒロインは個別シナリオでの抱えてる問題があっという間に解決するのは・・・。
そもそも短すぎ。キザイアシナリオくらいやってくれればいいのに、あの短さ。
しかもルートに入らなければかなり酷い扱い。特に璃国兄妹の扱いが・・・。
なんか扱いの酷さを緩和する為に個別を作った感じがします。
最後までやると一本道シナリオのほうが良く思えるので、個別廃止にしてそれぞれの個別での流れを本筋の話でやりつつに持っていったほうが良かった。
だって本当に扱いが悪いんですよ。凹みます。
ということで第2部の出来は正直良くありません。
このゲームの悪い部分が出まくりでした。

第3部は全ての締めくくりのキザイアシナリオ。
明かされるシュレミールの正体、主人公に隠された秘密、キザイアがアーウェブを離れた理由、そして最終決戦。
最初から最後まで息つかせぬ展開に夢中になって読んでました。
それくらい第3部の出来は良いです。第2部の出来もこれくらいとは言いませんが、もっとよければ・・・。
さて、ここでようやくキザイアが変わるきっかけになった3週間の話が出てくるわけですが、普通に驚きました。
まさかそんな事があったとは・・・。最後のほうは読んでて悲しくなってきます。
あのような結末を迎えてしまうなんて。
そして第1部ラストのキザイアの台詞「私が私であり……お前がお前である限り……私はお前を……愛し続ける……から」の意味に気付いた時は今までも好きでしたが、更にキザイアのことが好きになりました。
この台詞は反則すぎます。泣きかけたわ。
ラスト部分も熱く、最後のダブルキックにも燃え、かなり楽しめる出来でした。

燃え部分は全体的に良かったですね。ノリが合う人なら楽しめるでしょう。
ただノリが合わないと辛い。シナリオは微妙な部分があるので。
上でもちょっと書きましたが、展開が早い。
もう少し間を取ったほうが良かったように思える。
後は説明不足なところがちらほら。ノリが合えばこの辺は然程気にはならないかもだが、逆にノリが合わないと気になって仕方がないと思われる。
サブヒロイン勢の扱いが本筋ではかなり酷い扱いだったり、いろいろ微妙な部分はあるのですが、それ以上に面白かったという思いのほうが大きいです。
兎に角ノリが合うなら楽しめるかと。
システム
CG鑑賞、音楽モードあり。マルチサイトビジュアルシステムというのがあり、進行に合わせ見れるシナリオが新たに出てきます。
それをユーザーがどのイベントを見るか選びつつ進めて行くというもの。
エロシーンもここから見ていくようになっています。
オートセーブしてくれますが、一応自分でもセーブ出来るようになってます。が、マルチサイトビジュアルシステムがあることから使うことはほとんどないです。
スキップ速度はそれなりですが、これまた使う機会はほとんどなし。
演出面はそれなりに頑張ってる感じ。
キャラ
キザイア・緋乃神
CV:かわしまりの
第2の主人公にしてヒロイン。彼女が好きか嫌いかでゲームの評価が大きく左右されます。
出会った当初のキザイアはあまり好きではないのですが、3週間後に出会った彼女は最高に熱くて大好きです。
台詞は聞いてて恥ずかしかったりしましたけどね。主人公とのやり取りはいい感じです。
第1部ラストの彼女の最期の表情が忘れられないですね。そして言葉も。
照れる姿に萌え、戦闘シーンでの熱さに燃え、と萌えと燃えに大活躍なキャラでした。

恩田 芹果
CV:上田朱音
主人公の幼馴染。サブヒロインの中での扱いはマシなほう。
序盤は結構出番あったのですが、キザイアが出てくると霞んできます。
出番自体はサブの中でも一番あると思うのですが、やはりキザイアのキャラが良すぎるのでね。
芹果の時間と空間を一時的に止める能力は笑えるんですが、それ以外はイマイチ印象に残らなかった。

璃国 美衣奈
CV:中家志穂
養護施設で子供達の世話をしてる少女。サブヒロインでは一番扱いが悪い。
本筋で一切の救いを与えない展開に涙。本当にこれは酷い。
個別終わった後に本筋やるとあんまりな扱いに凹む。
好きな人は覚悟しておいたほうがいいです。
日常シーンでは猫耳つけて出前するのが可愛かったり(本人は猫耳がついてるのに気付いてなかった)、儚げな感じが好みだっただけにこの扱い・・・。
ちなみに処女ではないです。

紺野 由貴
CV:杉原茉莉
主人公のクラスメイト。サブヒロインでは一番扱いがマシかな?
キザイアとのバトルは印象深かったのですが、それ以降は出番が少なく、出番あっても役立たずすぎ。
もう少し強いイメージ持ってたんですが、残念。
可愛いものを見た時の表情はいいですね!
このキャラも処女ではないです。

弥栄 ふうり
CV:青葉りんご
元アイドル。サブヒロインの中では美衣奈よりは扱いがマシ。
一応救いは与えられてますからね。戦闘メンバーの中では一番弱いイメージがあります。
実際どうなのかは分かりませんが、活躍しなさすぎなのでどうしてもそう思える。
キャラ的には可もなく不可もなく。
キャラデザ
総CG枚数80枚。出来はかなり良いです。
戦闘CGも迫力あっていい感じです。後はキザイアの表情がかなり良いですねー。
ただ立ち絵の変化がほとんどないのが微妙。
フェイスウィンドウは結構変わるのですが、戦闘時で台詞と立ち絵が合ってなく微妙な気分になることが多々ありました。
立ち絵のほうももっと変化させてくれると良かったです。
音関連
曲は全部で20曲。ボーカルソングは2曲(かげふみのうたも入れると3曲だけど、音楽鑑賞にはこの曲は入ってない)。
どちらの出来も良いです。オープニングは青葉りんごさんが歌ってるのですが、うまいですねぇ。
テーマソングの鏡の森は名曲。クリア後に聴くと歌詞に込められてる意味に気付き、更に好きになりました。
「愛することと憎むことはとても似ている」なんてクリア後に聴くとそうだよなぁ、と思えますし。
曲名も上手い事つけたなぁ、と思います。
BGMも良い出来。戦闘時のBGMは結構あり、場を盛り上げるのに上手く働いてます。

声優さんは「かわしまりの」さんが良すぎです。
見事なまでにキザイアを演じきってくれていますね。
他の人も問題なし。
実用シーン
総シーン数24。一部分割登録のような形なので、それ抜きにすると21回かな?
各キャラの割り当てはキザイア6、芹果4、志穂3、由貴4、ふうり4、早枝2、志穂と早枝が二人でしてるシーンが1つとなっています。
ふうりは主人公が挿入するシーンはなく、巡としています。一応フェラはしてくれますが、巡も一緒にしてくるのは正直微妙・・・。
早枝は主人公とするシーンはないです。1つは一人エッチでもう1つはIFエッチで男子生徒としてるシーンです。
シチュはIFエッチもありそれなり。襲われたり、近親相姦があったりするので、苦手な人は注意。
質は普通。尺も普通程度。
総評
体験版やってそれほど期待してなかったのですが、予想外に楽しめました。
シナリオ部分は微妙な部分もありましたけど、それ以上に熱い!
ノリが合い、キザイアが好きであればやってみて損はしないかと。
逆にノリが合わず、キザイアが好きでない人は楽しめない作品。
絵も良く、音楽も良く、燃え展開ありで結構良かったです。
評価点数80点
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