イヅナ斬審剣


シナリオ システム キャラ キャラデザ 音関連 実用
7点 8点 8点 8点 8点 7点


シナリオ
必殺◯事人


プレイ時間は共通1時間、個別20分〜3時間。
メインとなるシナリオは3つで、その3つをクリア(チャプターも全部埋める?)ことにより、追加でサブキャラについての話が追加されます。
総プレイ時間は11時間。

死刑制度が廃止された日本を舞台に、法では裁ききれない者達を断罪する者、人斬りイヅナの話。
話数形式の話で、3話までが共通、個別は4話〜9話まで。サブキャラのシナリオは1話のみ。
攻略キャラといえる存在は3名のみですが、おまけ的なシナリオでサブキャラ同士のお話などがあります。

お話のメインとなるのが、依頼を受けて人殺しをするというものな為、明るい話ではないです。といっても、普通に学園での生活等の日常パートはありますし、終始暗くて息の詰まるようなシナリオではないです。
だいたい1話の中盤辺りまでは日常部分で、中盤過ぎ辺りになって依頼が舞い込んできて、イヅナ関連の話にシフトしていくという感じ(個別終盤は違いますが)。
なのでまぁ、はっきり言ってしまうと、ちょっと暗いかなぁレベルの作品。

イヅナとして人を斬るという部分が、予想以上にあっさりしていたというか、主人公がめちゃくちゃ強い為、大抵の悪人は瞬殺という。
斬られる側の描写も薄く、「こういう事があって、私(俺)はこいつを殺したい程に憎んでいる」という話を聞いて、その後に斬審をしに。
一部の仕事では捜査パート的なものがあり、犯人が判っていないので捜したりだとか他の話に比べて掘り下げられていて、そういう話は割りと楽しめたのですが、多くの話は淡々と進みすぎてつまらない話ではないけれど、面白くはないなぁと。

というのが、ヒカルルートやった段階での自分の感想で、正直期待外れだったなぁと思っていました。
思っていたのですが、鈴華と志乃蕪シナリオをやってみて、期待通りの面白さになってくれて安心。
この2ルートはヒカルルートにはなかった、主人公と同じくらいの力の持ち主や格上の存在がいて、盛り上がります。
それぞれのキャラを生かした展開もされていますし(ヒカルルートはその辺も含めてイマイチな展開でした)、この2ルートは楽しめましたね。

3つのシナリオを終えるとシナリオが追加され、1つはサブキャラ同士の話で、こちらはまぁおまけ的なもの。
もう一つの方は、メインシナリオ3つの全てを通った上で、どのキャラとも付き合っていない状態での後日談的なもの・・・かと思いきや・・・。
これは正直、結構な驚きでしたね。あのキャラにそんな秘密が?!という衝撃的な展開。
そして終わり方にも驚きが。まさかの続編フラグ。続編を匂わせる形での終わり方でした、はい。
と言っても、伏線の回収がされていないといった、消化不良な終わりではないんですけどね。
ただ最後の最後に「続編がある・・・?」というのを匂わせる終わり方なだけで。

最初の方は、淡々としすぎていてイマイチな印象だったのですが、終わってみると結構楽しんでプレイできました。
システム
CG鑑賞、シーン回想、音楽鑑賞あり。一部ですが、アニメーションもあり。
チャプターシフトというシステムがあって、シナリオの途中から遊べるというもの。
どのシナリオを読んでいないかがすぐに判るので、チャプターを埋めるのに役立ちます。
スキップ速度は普通。
キャラ
九頭竜 鈴華
CV:芹園みや
両親が事故により亡くなってしまい、若くして九頭竜会の当主となった少女。主人公と同い年で、幼い頃から自分の面倒を見てくれ、両親亡き後も支えてくれていた哲心(主人公の父親)の事をとても信頼していた。
逆に、息子である主人公の事は信頼しておらず、屋敷へ来たばかりの主人公の実力を図ろうとしてくる。その後も、あまり良いとはいえない関係のまま話が進んでいきます。
任侠のトップということで周りからは恐れられていますが、照れたり動揺したりだとか、中身は普通の少女。
個別部分で、音遠と友達付き合いしだしてからの機嫌の良い鈴華は不気味で笑ってしまったり。
それまでは不機嫌な顔ばかりでしたからねぇ。いきなりそんな表情を見せてくるので、不気味すぎて笑ってしまいました。
その後に知ることとなる、音遠の正体、鈴華に近づいてきた目的を知った鈴華の姿は可哀想でしたが。
個別終盤の展開は、凄く自分好みな展開で、楽しめました。

姫川 志乃蕪
CV:有栖川みや美
鈴華の付き人。両親を強盗に殺された過去を持つ。
イヅナとしての仕事をしている最中に彼女の事を発見した哲心は、彼女を保護し、九頭竜会の一員として迎えられる。
哲心からイヅナの暗殺術を教わっており、主人公のサポートとして戦闘でも活躍します。
と言っても、元々は一般人として育ってきたので、能力的には主人公には遠く及ばず。
身体能力も、一般人からすれば凄いほうですが、主人公とは大きな差がある。
しかしその不足分を、現代科学の粋を集めて作った数々の装備品で補います(跳躍力を増強するものや、姿を消せる物など)。
礼儀正しく、相手が年下であっても敬語で話す彼女ですが、内には家族を殺した強盗への激しい憎しみが。
個別では、その辺の葛藤などが描かれています。

阿賀野 ヒカル
CV:小倉結衣
主人公のクラスメイト。活発な少女で、ボーイッシュな物を好んで着ている為、しばしば男の子と間違えられる(主人公も冒頭で彼女と会った時に、男の子だと勘違いした)。
主人公とはすぐに親しくなり、仲の良い友人関係を築いていくことになります。
主人公の正体を知った後の展開、彼女の父親(警察官)がどう話に絡んでくるのかと楽しみにしていたのですが・・・。
肩透かしな話だったなぁと。父親は全くといっていいくらいに絡んでこないし、主人公の秘密を知ったあとの行動もなぁ。
もっと色々あるものだと思っていたので。他のメインルート2本と比べて、面白くない話でしたね。
キャラデザ
総CG枚数133枚。枚数多めで、一部はアニメーションのものがあります。
出来も申し分のない出来で、狂気を帯びたような表情とかツボでした。
アニメーション部分は効果的に使えていて、特に重次との決着シーンは良い。
ああいう形での決着のつけ方に、動きのあるシーンを取り入れるのは盛り上がります。
音関連
曲は全部で30曲。ボーカルソングは3曲。
どの歌も良曲なのですが、特に2ndOPのカヒーナさんが歌っている「華散ル宵ニ風ヲ誘イテ」はお気に入り。
やっぱりカヒーナさんの歌は良いですねぇ。
BGMは和を感じる曲が多く、落ち着いて聞き心地の良いものばかり。
戦闘シーンでは盛り上がるような曲になり、斬審をする際に流れる曲はこれ以外にはないだろっていうくらいにピッタリなもの。

声優さんも問題なし。主人公にも声がついていますが、不快に感じるだとか邪魔だとか思うことはなかったです。
むしろ声があることによって、主人公の変化ぶりっていうのがより伝わってきて良かったかなと。
実用シーン
総シーン数18回。志乃蕪4、鈴華とヒカル3、巴、音遠、ガブリエル、響子、その他3名のキャラが1回ずつ。
夢オチですが、鈴華と志乃蕪の百合シーンがあります。主人公としているのは、鈴華、志乃蕪、ヒカル、音遠、響子の5人(音遠は純愛エッチではないです)。
尺、質共に普通。エロは薄めだと思っていたので、思っていたよりは良かったです。
ほとんどのシーンは純愛エッチですが、ごく一部のエロに輪姦、エッチ後に殺害といったものが。
ちなみに、シーン中でも主人公の声はあるので注意(システムで切ることは可能です)。
総評
ヒカルルートは残念な出来でしたが、他ルートは面白かった。
おまけの巴シナリオでは笑えたし、最後のシナリオでは色々と驚かされたし。
設定に惹かれるものがあれば、買って損はしないと思います(過度に期待をしなければ、ですが)。続編は出るんですかね。出て欲しいなぁ。
評価点数78点
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