星空のメモリア−Wish upon a shooting star−


シナリオ システム キャラ キャラデザ 音関連 実用
7点 7点 8点 9点 9点 5点


シナリオ
星に願いを―――


プレイ時間は共通4時間、個別30分〜4時間程度。
総プレイ時間は26時間ちょい。攻略キャラは7人。
プレイ時間もこの手の作品にしては長めで、攻略キャラは最近の作品の中では多め。

このゲームをやる上で見逃せないマイナス要素が2つあります。
1つはテキスト。序盤からなんですが、何度も同じような事を繰り返すのです。
笑いを取ろうとしてるイベントで顕著に見られるのですが、最初のイベントからしてつまらないのに、何度もそれを見せられるのは正直辛い。
特に自分は百合シーンを何度も見せられるのが辛かったですね。これ見るたびに、テンション急降下ですよ、えぇ。

もう1つは序盤からの妹とのやり取り。妹のキャラがウザ可愛い系で、合わない人はイライラさせられます。
そんな性格な上に、何度も序盤から同じようなやり取りをさせる本作のテキストな為、挫折する人が少なからずいそうです。
自分は普通に可愛いと思えたので問題なかったですけどね。
一応、個別に入れば、千波は一部個別を除き、ほぼ出てこないですし、テキストもマシになります。
ただ、共通が結構長めなんですよね。その長い道のりを耐えられるか、それは体験版やって判断するといいと思います。

シナリオ中身については長い。本作は萌えゲーに位置する作品なのですが、その手の作品で、20時間越える作品はあまりないと思います。
萌えゲーは基本、シナリオが良いとは言えず、長いと確実にダレますからね。で、本作は萌えゲーでありながら、このプレイ時間。
だがしかし、萌えゲーでありながら、シナリオはそれなりに良く出来ていたと思います。

まず、共通部分ですが、中盤辺りまでは正直つまらないです。
まだキャラが出揃ってない所為で、最初に書いたように、同じイベントを繰り返すのが顕著。
後は淡々と進むのもあって、最初は退屈。
でも、中盤過ぎから、盛り上がる部分が出てきて、多少面白くなってきます。
ただ、この盛り上がる部分、特に共通ラストの姫榊姉妹とのイベントなのですが、普通に姫榊姉妹のどちらかのルートだと思ってしまったのは、自分だけではない筈。
正直、個別だと思いきや、まだ共通というのは、既にそのキャラの個別に思考がいっているので、微妙な気分になります。
特に姫榊姉妹のイベントは、終わった後にすぐ誰かの個別にシフトするので、若干の違和感が拭えないです。
まぁ、共通で入れないと、個別にシフトした際にやっぱり違和感が生じてしまう訳なんですけど。
要するに、やり方が悪かったかなぁ、と。

個別部分ですが、これまた長め。各キャラによっては長さは変わってきますが、だいたいのキャラは3時間〜4時間くらいかかります。
一部シナリオ除き、丁寧な印象。キャラが抱えてる問題部分を丁寧に描いてるので、後にシリアスな展開になっても、そこに至るまでの描写が丁寧な為、萌えゲーにありがちな唐突感ありありな鬱陶しく感じるシリアスな物になっていません。
付き合うまでの過程も長いですが、付き合う前でも萌え部分はそれなりにありますし、そういう部分も楽しめる物になってますね。
ただ、多くの個別で、書き足りてなんじゃないかな?という印象を受けました。
まだまだ話を広げる余地はあるのに、〆てしまってるんですよね。丁寧に描いてる分、残念に感じる部分。
ただ、そこまでやってしまうと、マジでプレイ時間がとんでもないことになりそうですし、うーむ。
書き足りてない部分はFDに期待ですかね(このレビュー書いてるのは2010年です)。

個人的に気になったのは明日歩シナリオ。他シナリオは丁寧に感じたのですが、このシナリオではそうは感じず、展開が唐突に感じられます。
最後のシーンだけ見ると、良かったなぁ、と思えるのですが、そこに至るまでの描写が薄くて、全体を通して見るとイマイチなシナリオ。
パッと見、メインクラスのキャラなのかと思いきや、当て馬的な扱いで、結構不遇なキャラになっています。

最終ルート(メアではない)については、長い道のりを経てようやく彼女のもとにたどり着いた、という達成感はありましたが、中身は良くもなく、悪くもない出来。
仕方のない事とは言え、他キャラと違い、共通での積み重ねがない為、他キャラと比べて愛着が湧き辛いんですよね。
シナリオにしてもシリアス風味な為、萌えを感じ辛いですし、途中の展開で「いや、それはないだろ・・・」というのもあったりで。
最後の部分は好きなんですけどね。それだけに、メアシナリオが蛇足に感じてしまったのですが。

個人的にメインシナリオと明日歩はそれほどでもないですが、他シナリオは結構楽しめましたね。
システム
CG鑑賞、シーン回想、音楽鑑賞、ムービー鑑賞、立ち絵鑑賞あり。
いつも通りCGの拡大表示機能があります。スキップ速度はそこそこ速いのですが、シナリオ欄で書いたように、共通が長い為、スキップしてる時間がそれなりに長くなってしまいます。
前の選択肢に戻る機能をつけるよりも、次の選択肢に飛ぶ機能を付けて欲しかったですね。
後は、初めから始める際、タイトル画面からの切り替えが超遅いのが気になりました。
何度か始めからやる機会があるので、この部分も改善して欲しかったです。
キャラ
南星 明日歩
CV:佐本二厘
天クルの副部長。星が大好きなキャラで、逆に星嫌いな「こもも」とは犬猿の仲。
序盤から主人公に好意を寄せていて、やきもち焼いてくるシーンは普通に可愛い。
結構早めに恋人になり、バカップル化してるのは良かったですね。
ただ、シナリオ欄でも書いたように、シナリオが唐突に感じられるのは微妙。
キャラは好きなんですけどねぇ。

姫榊 こもも
CV:宮沢ゆあな
こさめとは双子の姉妹。彼女が姉です。
本人も理由は分からないですが、星が嫌い。
最初は個人的な理由で、天クルの邪魔をしてくる嫌な奴、という認識だったのですが、なんだかんだで天クルの為に頑張ってくれるキャラで好きになりました。
お姫様だっこイベントは超萌えました。声といい、態度といい、やばかった。
後は弁当イベントも良かったですね。

姫榊 こさめ
CV:楠鈴音
こももの双子の妹。共通では頻りに詮索は悪趣味と言ってきて、なんだコイツ鬱陶しいなぁ、と感じてました。
ですが、こさめシナリオで明かされた事実で、その評価は一変。
あのような設定があるのでは、詮索が悪趣味という彼女の言葉は当然だな、と思えますから。
個別では主人公が一番頑張ったシナリオでしたね。
満月の夜のシーンで、こさめを抱きしめるシーンや、最後のシーンで離れていこうとする彼女を見つける為に起こす行動とか。
エンディングがまだ問題の残る形で終わってるのは残念ですが、そこ以外は結構好きでした。

蒼 衣鈴
CV:東かりん
主人公の後輩。毒舌少女で、特に千波には容赦ないです。
序盤から、このキャラのデレっぷりに期待してました。結果、期待通りの可愛さで良かった!
共通では孤独な方が好き、干渉してこないで下さい、という感じのキャラですが、主人公と付き合いだしてからの恥ずかしそうな表情の数々とか可愛すぎます。
終盤での衣鈴はあまりにも痛々しく、辛いのですが、孤独でいようとしていた彼女が主人公に構ってもらおうとする数々の行動に想いの強さが伝わってきますね。

小河坂 千波
CV:みなづき蓮
主人公の妹。ハイテンションキャラです。
序盤からハイテンション状態なのですが、時折大人しい表情を見せる為、無理して明るく振舞ってる印象を受けましたね。
実際は無理に明るくしていた訳ではなかったのですが、内には問題を抱えており、その事から主人公の役に立とうとしています。
この主人公の為に頑張ろうとしていた意味が分かった時にはちょっと感動してしまいました。
まぁ、頑張り自体は完全に空回りしていましたけど、それはそれで千波らしいのでOK。
世間では評判が良くない千波ですが、自分は結構好きなキャラでした。

メア
CV:杏子御津
死神少女。人の悪夢を刈る事ができます。
役割としては重要なものを与えられてますが、個別での扱いが・・・。
30分くらいで終わってしまいましたよ?
個人的にはこれならいらなかった。???ルートが綺麗な〆だったので、そこで終わるのが一番だったように思えます。

???
CV:遠野そよぎ
1キャラクリア毎に、共通シナリオに姿を現す、謎の人物。
その正体は・・・プレイして確かめて下さい。まぁ、すぐ分かると思いますが。
キャラとしてはお姉さんぶるキャラなので、好みなんですが、如何せん出番が個別以外ほぼなしなのが・・・。
シナリオもシリアスな空気を纏っているため、萌えきれませんでしたし、設定上仕方ないとは分かっているのですが、それでももっと出番があればなぁ、と。
キャラデザ
総CG枚数114枚。キャラ絵のみにすると、107枚。
立ち絵もイベントCGの出来も文句なし。
各キャラの表情も細かくて良いですし、かなり好きな絵ですね。
音関連
曲は全部で47曲。ボーカルソングは3曲。OP1曲、ED2曲です。
まずOPですが、かなり好きです。これ聴くためだけに何度もムービー見たくらい。
EDの方は「星の夢」は普通なのですが、「星空のメモリア」の方は良いですね。
あぁ、終わったんだなぁ、という感慨深さを与えてくれました。
BGMは全体的に透き通るような綺麗な曲で、星がテーマの本作と良く合っています。

声優さんも特に問題なし。
実用シーン
総シーン数13。明日歩3回、こもも、こさめ、衣鈴、千波が2回、残りのキャラは1回となっています。
明日歩がメイド服着たり、こさめが巫女服だったり、衣鈴がスク水着たり、千波が裸エプロンだったり、とあるのは良かったです。
ただ、内容は正直薄い。恋人同士、愛を確かめあうのを重視している為、可愛いと感じても、エロいと感じる事はなかったですね。
総評
コンプした後に天体観測がしたくなるのは自分だけではない筈。
テキストと一部シナリオに残念な部分が見られたものの、全体的なレベルはそれなり。
体験版範囲が問題なく読めれば、楽しめるかと思います。
評価点数76
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