BLOODY†RONDO


シナリオ システム キャラ キャラデザ 音関連 実用
5点 6点 7点 8点 8点 5点


シナリオ
燃え要素に期待していたのだが・・・


プレイ時間は共通5時間、個別が1時間半〜2時間半。
総プレイ時間は13時間半程。

学生をしている一方で、探偵業を営んでいる主人公。
しかしそれは、表の顔にすぎない。探偵業の裏では、吸血鬼ハンターという吸血鬼を狩る仕事を請け負っているのだ。
そのような生活を過ごしていた、とある日の夜。彼は吸血鬼に襲われている1人の少女を発見。
吸血鬼を倒し、気絶していた少女を自宅まで運ぶ主人公。
この時の彼は知らなかった。彼女が吸血鬼で、この出会いにより、真祖の吸血鬼の力を巡る争いに巻き込まれること。
そして彼自身の失われた過去が、その事に関係していることを・・・。

という吸血鬼モノ。プロローグがシリアス展開で、更に主人公の家族が吸血鬼に殺されている、という事から結構シリアス分多めな作品・・・と思いきや、実はキャラゲーでしたという作品。
プロローグが終わり、主人公の元に真祖の吸血鬼であるルナが住み始めてからの展開はキャラゲー。
元からキャラゲーだと分かった上でのプレイであれば、凛子とルナのやり取りとか悪くないと思うのですが、シリアス傾向な作品だと思ってプレイすると辛い。
ルナは無用心に自分が真祖であることを匂わせる発言、でも凛子は気づかない。普通であれば気づくであろうことで、それに気づかないってのはキャラゲーとして見ればありですが、シリアス作品ではダメですから。
自分はこのやり取りには毎回イライラさせられましたね・・・。

共通部分は、ほぼキャラゲーといって言い展開。ハーレム的な展開で、主人公の家に次から次へとヒロインが来て同居するという。
もっとこう、バトル多めで殺伐とした展開を楽しみにしていたのに、この展開は予想外。
上でも書いたように、キャラゲーとして見れば、やり取りは悪くはないんです。
キャラ自体もそこそこ良いと思いますし。ただ、自分のようにシリアス物だと思っていると、正直面白いとは感じるのは難しいのではないかと。
期待していたバトルも、共通部分は中盤辺りと終盤にあるくらい。
終盤のバトルでは、ようやく主人公の能力が覚醒し、ここから面白くなるのか!?といった期待を抱いたのですが、残念ながら儚く散っていきました。

個別シナリオは、共通の終盤の展開から、シリアス展開に突入・・・ではなく、基本キャラゲー。
戦闘が本格的に始まる・・・ということはなく、共通に比べればシリアスだけど、それでもやっぱりキャラゲーだなぁ、という展開の数々。
ルートによっては、悲恋な感じの終わりで、あまりキャラゲーにはない展開を見せるのですが。
後は、恋人同士にならないルートもあったり。恋愛描写は薄く、よく分からないうちに恋してます。
戦闘も少なく、というかルナと凛子ルート以外では主人公戦っていなかったのですが。
そのルナと凛子ルートも盛り上がるかと言えば、残念ながら盛り上がらず。
決着部分が他者の手によるものだったり、中途半端で終わったりと消化不良な終わり方なんですよね。
主人公の力で倒したとはいえず、やっててホントにイマイチな気分に。
共通で能力に覚醒し、個別でどうなるのか楽しみにしていたんですけどねー。
燃えについては期待出来ない作品です。

全体的に説明不足というかテキストが不足してる印象。
共通部分で出る選択肢はどれ選んでも展開は変わらず(テキストもほぼ一緒)、個別の導入部が同じものばかりなのですが、別ルートでのイベントがそのルートでも起こったかのような展開には唖然。
初回にプレイしたルートで、知らないキャラを主人公がこの間会った奴だ、と言った時の驚きといったらもう・・・。
これ以外でも状況の説明がなかったり、敵の目的が分かっても、その目的に至る部分の説明がなかったり、と掘り下げ不足。
個別が短いのばかりですが、正直、この倍くらいの時間をかけて設定をしっかりと消化させる展開させたほうが良かったんじゃ。
長すぎるのもダレそうですが、この作品の場合は設定の消化が出来てなさすぎですし、他ルートの事も詰め込んだルナシナリオがあまりにも酷い出来だったので、もう少し各ルートに時間を振って、ルナシナリオをスリム化したほうが良かった気がします。
辻褄が合わなかったりしますし、作品の完成度は低い物でした。
システム
CG鑑賞、シーン回想、音楽鑑賞あり。
ディスクレス起動不可。バックグラウンドでの動作不可。
スキップは早いほうですが、バックグラウンドで動作しないってのは痛いですね。
キャラ
ルナ・フリード・クイーン
CV:青葉りんご
世界でただ一人生きている(と思われる)真祖の吸血鬼。物語開始してすぐに、吸血鬼に襲われているところを主人公に助けられる。
その後、主人公を眷属(真祖の吸血鬼が血を吸った者の事を指す)にしてしまい、運命共同体(眷属である主人公は主であるルナが死んでしまうと、同じく死んでしまう)となってしまい、ルナを守る為に同じ家で暮らすことに。
脳天気なおバカキャラ。人間や野良吸血鬼(真祖以外の吸血鬼に血を吸われた者の事を指す。望んで吸血鬼になった訳ではない為、真祖の吸血鬼に対し恨み等の負の感情を抱いている)に狙われているにも関わらず、警戒心がない。
自分が真祖である事、吸血鬼である事を隠そうともせず、べらべらと喋る姿には正直イラッときました。
真祖で自分だけが生き残ってしまったという後ろめたさがあるとはいえ、いくらなんでもこれはないのではないか。
自分が死ぬだけならまだいいけど、ルナが死ぬって事は=眷属である主人公とリネットの2人の死も意味してるのですから。
他者の命を背負っているということを自覚してほしいものです。更に責任感というものも欠如しており、フランシスカを眷属にすることで命を助けたのですが、その後は放置。
力を与えておいて、後は好きにしろってのはあまりにも無責任。力を与え、人ならざる者にしておいて、それはどうなの、と。
無責任に力を与えた結果が殺人鬼を作ることになったのだから、本当にどうしようもない。
という、不満しか出てこないキャラ。嫌いなキャラですね。
個別シナリオは一番長く、一番酷い出来。シナリオの進行が不自然で、辻褄が合わず、説明不足。
敵から「今夜ここで待ってる」の連続使用はいくらなんでもない。これは多用するものじゃないでしょ。
他ルートの展開も詰め込んだ所為で本当に不自然な流れに。
ルナと主人公の2人に絞った展開にした方が良かったと思いますよ。

リネット・ヴァンス
CV:上田朱音
ルナの最初の眷属。普段は何事にも興味を示しませんが、ルナの事になると一変。
饒舌になり、普段の彼女からは想像が出来ない行動に。
ルナ以外には口も態度も悪く、死んでも構わないという考えで、ルナ至上主義なキャラ。
身体能力はかなりのもので、戦闘では大活躍。
このキャラもあまり好きじゃないかなぁ。百合な展開が自分には合わなかった。
ポッキーを食べるシーンはめちゃくちゃキツかったです。
個別シナリオはリネットの過去とフランシスカについての話。
リネットの身体能力の高さを堪能出来ます。

二階堂 凛子
CV:みる
銀の弾丸のメンバー。組織を嗅ぎまわっている(らしいですけど、いまひとつよく分からない)主人公を監視するという名目で同居することに。
ルナ同様にアホの子で、ルナとの会話で明らかに吸血鬼だとか真祖だとかが分かるような事を言われながら、毎回それを別解釈してしまう。
キャラゲーとしてならありなキャラですが、シリアスな話だと思っていた自分は正直このやり取りは厳しい。
気づかないとかないだろ、わざとやってるのか?と思うくらいのスルーぶりですからねぇ。
ただ、それ以外の部分では結構可愛いと思えるキャラでどちらかと言えば好きなキャラですね。
見た目は一番好みですし。個別シナリオは凛子の復讐劇みたいなもの。
よくある展開ですね。

神津 沙耶香
CV:桜川未央
主人公の同級生。お嬢様で、男子生徒からの人気は高い。
父親を尊敬してるし、好きではあるのですが、過保護な父親な事には不満を持っており、同年代の子と同じような生活を送りたいと思っている。
バイトする事を許してもらってからは、主人公の事務所でメイドの格好をして働くことに。
他キャラとは違って戦う力がないので仕方がないですが、個別ルート以外では空気。
出番はかなり少ないです。個別シナリオは悲恋な形に。
個人的にはこういう形での終わりもありだと思ってるので問題なかったです。

アリス
CV:藤森ゆき奈
人造吸血鬼(人工的に作られた吸血鬼)。主人公達の前に敵をして現れるが、戦闘途中のトラブルにより記憶を欠損。
以降は主人公の家に住むことになる。情報収集等の隠密行動に秀でたキャラで、電子機器等を操る能力を持っている。
リネット以上に感情の変化が薄い。事務的な会話が目立つ。
この作品の中で一番好きなキャラ。こういうキャラ好きなんですよねー。
ヒロインの中で、主人公への想いが一番大きいですし。
個別シナリオは主人公の過去についての話。このルート(とルナシナリオ)をやってしまうと、他ルートで主人公のとある問題が解決されていない事が分かってしまい微妙な気分に陥ります。
エンディング後に主人公大変な事になっちゃうからなぁ。
キャラデザ
総CG枚数102枚。絵については良かったです。
この作品で数少ない良かったといえる部分。
立ち絵のパターンが少なめだったのが残念でしたが、出来は問題なかったです。
音関連
曲は全部で31曲(ボーカルソングは音楽鑑賞に登録されていない)。ボーカルソングは2曲。
オープニングはなかなか良い。シリアス調な歌なので、作品には合ってないとは思いますが。
逆にエンディングは明るめなんですが、これまた合ってない。
普通のキャラゲーならこの歌で良かったと思うのですが、この作品は違うからなぁ。
出来自体も微妙。BGMは良かったです。

声優さんは問題なし。
実用シーン
総シーン数16回。ルナのみ4回で他キャラは3回。
尺は普通くらいで質は微妙。数は考えていたよりも多かったですが、エロさはイマイチ。
内容はパイズリやらフェラといったオーソドックスなもの。
総評
絵と音はそこそこ良かったと思うのですが、シナリオの方向が自分が求めていたものと違っていたのが痛い。
基本キャラゲーな作品だと知っていれば、まだ多少は楽しめたかもですが。
それでも、シナリオがイマイチな事に変わりはないですけどね。
キャラゲーと思って買うのはいいですが、燃え要素に期待して買うのはやめておいたほうがいいです。
評価点数62点
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